FILOFAX Winchester 4CCF 7/8″ ファイロファックス ウィンチェスター という伝説のシステム手帳
FILOFAX Winchester 4CCF 7/8″ ファイロファックス ウィンチェスター という伝説のシステム手帳を紹介します。
システム手帳は皆さんご存知だと思います。
実際に使っている方も多いと思いますが、今は様々なノートが販売されているので、システム手帳からノートへ移行された方も多いと思います。
実際に僕自身もシステム手帳から始まり、ノートに変わり、システム手帳・ノート併用に変遷してきました。
システム手帳はシステム手帳の良さ、ノートにはノートの良さ、がありますので甲乙つけがたいところがあり、常に物足りなさを感じていたので、結局のところ、併用するスタイルでおさまってしまいました。
そんな変遷のあるシステム手帳ですが、
システム手帳の中でもファイロファックス ウィンチェスターは伝説的な存在となっています。
システム手帳って昔からあるように思いますが、日本での歴史は意外にも浅く、このファイロファックス ウィンチェスターが1984年に上陸したのが始まりです。
このウィンチェスターもその当時のものです。30年ほど経過しておりますので、革も変形し、色もあせ、それ相応の歴史が刻まれています。
fILOFAX
4CCF 7/8
REAL CALF
MADE IN ENGLAND
という刻印があります。
これは、このウィンチェスターのスペックが記載されています。
4CCF 7/8 … クロコダイル型押し、リングサイズ 23mm(7/8″)
REAL CALF … カーフレザー
MADE IN ENGLAND … イギリス製
といことがわかります。
このウィンチェスターは、クロコダイル型押しですが、モンタナカーフレザーという基本のスペックがあります。
その場合は、4CCFではなく4CLFという型番となります。
よくネットで拝見されるものは、この4CLF 7/8というモデルです。モンタナカーフレザーも革の風合いがあり大変素晴らしいものです。
この4CCF 7/8は、カラーに黒と茶がラインナップされていましたが、1988年に赤と緑のカラーも追加されました。
ウィンチェスターは、1984年の日本上陸時、日本はバブルの時代、大変人気を博しました。当時に購入したものを大切に持っている方も多くいらっしゃいます。
ウィンチェスターは、その後も作られ、1993年頃まで製造されたようです。その中で1990年に一部変更が行われています。それは、コバと呼ばれる革を合わせた端の処理です。
本来、革と革を合わせられていた部分が、ヘリ返しという処理に変更されました。
ウィンチェスターを見て、コバの処理がヘリ返しとなっていれば、それは1990年〜1993年頃に製造されたものであることがわかります。
ちなみに日本では、
このリングサイズ7/8″のものを『スタンダード』、その他に5/4″(30mm)のものもありそれは『グランド』、1/2″(13mm)のものを『ウィンチェスターハーフ』という名称で販売されていました。
この1984年が日本でのシステム手帳のスタートとなり、どんどん新たなメーカーやシステム手帳が現れていきます。
このようにファイロファックスのウィンチェスターは、システム手帳を牽引してきた歴史があります。
実は、世界で初めてシステム手帳を販売したのもファイロファックスです。
ファイロファックスが、1921年Norman&Hill(ノーマンアンドヒル)という会社で6穴バインダーの手帳を発売したことが始まりです。この6穴バインダーを発案したのはイギリスの将校だったと言われています。
将校は、膨大な情報をメモし記録しておく必要がありました。
各地を転々と移動する必要性があったので、6穴バインダーは便利でリフィルの整理もでき大変重宝されました。
そんな実用性からもこの6穴バインダーは、オフィスで作業ができない方々に受け入れられ、軍人以外に牧師にも普及していったと言われています。
FILOFAX(ファイロファックス)と僕は明記していますが、
サイトや商品ロゴでは、fILOFAXと頭文字に小文字の『f』が使われているのを見ると思います。
実は、このことにも面白い逸話があります。
社名をファイロファックスに変更した際に、タイプの打ち間違いがあり、頭文字を小文字の『f』にしてしまったそうで、本来は『FILOFAX』としたかったのが『fILOFAX』としてしまったということです。ところが、『fILOFAX』の方が味があるということで、この間違った方を使うようになったとのこと。
その他にもFILOFAX(ファイロファックス)となった語源にも逸話があります。
第二次世界大戦時のFILOFAX(ファイロファックス)の前身Norman&Hill(ノーマンアンドヒル)の話となります。ロンドンの空襲で、Norman&Hill(ノーマンアンドヒル)社が焼け全てが失われてしまいます。しかし、秘書のグレース・スカールさんが手にしていた6穴バインダーの中に、顧客やサプライヤーなどのリストが残されていました。このリストを元にノーマンアンドヒル社は、再建を果たすことが叶います。ノーマンアンドヒル社を救ったそのリスト、そこには『file of facts』というタイトルが記入されていたそうです。グレース・スカールさんの奇跡のリスト『file of facts』が『FILOFAX』の語源になったとのこと。
そして、やがてグレース・スカールさんの功績を讃え、彼女は社長に就任されたそうです。
ちなみにグレース・スカールさんの6穴バインダーもファイロファックスのもので、6穴バインダーが2つ付いている大容量のものだったそうで、グレース・スカールモデルとして1995年に復刻され発売されていたそうです。歴史あるグレース・スカールモデル、是非とも一度拝見してみたいものです。
ファイロファックスは、このような歴史を持ったメーカーです。そのことを頭においてファイロファックスを文具店で手にとって見てみてください。これまでと違った見方ができると思います。それこそがMyBunguのコンセプトです。
では、その歴史あるファイロファックス ウィンチェスターの紹介に戻ります。
開けるとこのような感じになっています。時代の古いものですので、ペンホルダーの径は小さく太いものはさせません。10mmまでがベストです。
このシステム手帳は、スケジュールなどを記入するものではなく、主にプロジェクト資料用に使っています。仕事での使用はアシュフォードを活用しています。
ですので、ライフ ノーブルリフィルの無地と方眼を使用しています。このライフ ノーブルリフィルは、大人気のノーブルノートのリフィル版です。
ライフは、こだわった独自オリジナル用紙を使用し、東京の下町の職人さんの手によって1つ1つ丁寧に作られています。
クリーム色の紙は、穏やかな気持ちにしてくれるような色合いで、万年筆でも裏抜けをしないツルツルしすぎず、めくり易さも考慮した上質な紙質で人気です。
決まりもルールもさしてない自由帳のような内容にしています。
裏表紙の部分には、モレスキンなどのようにマチ付きポケットが付いているので、そこにチェックリストなどの付箋を入れています。
このリングは7/8″(23mm)は大きめのリングで、リフィルを結構入れることが可能ですので非常に便利です。ライフ ノーブルリフィルは100枚あるので、無地100枚、方眼100枚の200枚を入れても問題なくリフィルが干渉せず使用できます。(リングが小さいとリフィルの量によってはリフィルが干渉することがあるので使いづらくなります)
30年以上という歴史を刻んできたものですので、味わい深いシステム手帳になっています。
ただの古い形の崩れたものでしかありませんが、歴史とみればそれも深い味にも思え、愛着すら湧いてきます。それはまさにMyBunguの味です。
人生を共にできる”唯一の道具”である”MyBungu”との出会いは人生の歴史を刻める唯一の存在になります。
親から子、子から孫へも伝えることができるものでもあります。
親が持っていたものと思うと自然と愛着もわくものです。そんなMyBunguをこれから作っていかれてはいかがでしょうか。
きっと、いい思い出になると思います。