清朝皇帝が愛した『播喊・ボヴェ』という懐中時計 BOVET antique pocket watch

清朝皇帝(1616年〜1912年)が愛したBOVET(ボヴェ)というムーブメンtの彫刻が大変美しいアンティーク懐中時計をご存知でしょうか。

BOVET FLEURIER(ボヴェ・フルリエ)
1822年にボヴェ兄弟によって創業、スイスのフルリエに拠点をおいた時計メーカー。中国市場を中心に販売され圧倒的な人気を誇り清朝皇帝や貴族に愛用される。故宮博物館にも収蔵されるほど美しい時計として知られている。1932年休業することとなるが、1898年に復活し、高級時計を世に送るメーカーとして存続している。

このBOVET(ボヴェ)という時計メーカーは、世界で7番目に古い時計メーカーとして知られています。

ボヴェは、中国市場に着目し、当時他国の懐中時計がまだ浸透していない状況において販売を行い、ボヴェの美しさに中国の人々は魅了され大変衝撃を受けたと言います。

ボヴェの緻密な彫刻が施された金鍍金ムーブメントは、大変美しく現在においてもコレクターから大変人気の懐中時計となっております。

受けには『BOVET FLEURIER』や『453』と手彫りで美しく刻まれております。テンプやアンクル、ガンギ車、その他受けや地板など全てに手作業で彫刻されていることがうかがえ、清朝皇帝を魅了した美しさがわかると思います。

この当時は、今のような人造ルビーの製造方法がベルヌーイにより開発発見されていない時代ですので、本物のルビーが使われておりました。そのことからもアンティーク懐中時計は、当時かなりの高級な嗜好品であったことがより理解できると思います。

この懐中時計は、リューズでのゼンマイ巻上げや時刻合わせが誕生する以前のものですので、ゼンマイがおさめられている香箱と言われる部品に取り付けられた角状の部品に鍵を挿し巻上げる鍵巻き式のものとなります。

また、時刻合わせは、別の角状の部品に同じく鍵を挿し時刻合わせを行います。

リューズとなる部分にプッシュボタンがあり、そのボタンをプッシュすると裏蓋が開閉され、ガラス張りとなった中蓋から美しいムーブメントを楽しむことができる構造となっており、このような構造は日本における商館時計と同じ特徴を持っております。商館時計とボヴェの違いは、この中蓋にもピンのようなプッシュボタンがあり、ピンをプッシュすると簡単に開閉させることができる点です。

ムーブメントは、細部にまで彫刻が施されており、現在このような時計を製作するととてつもない高額な時計となると思われ、アンティーク懐中時計ならではの精巧な作りとなっております。

ケースは、銀無垢ケースで、ホールマークがしっかりと刻印され、当時ならではの焼き物の文字盤にもボヴェの名前が施されております。現在では焼き物の文字盤は高級時計メーカーでしか製作されておらず、このような点もアンティーク懐中時計なら楽しむことができます。

裏蓋には、『播喊』という文字が刻印されており、この文字はボヴェを感じであてたものとなります。

【BOVET FLEURIER】
横幅:55.3mm
縦幅:68.9mm(プッシュまで)/75.3mm(環まで)
厚み:16.8mm
重さ:107.02g

約150年も前の懐中時計となりますが、分解掃除をすれば問題なく稼働するものもあり、現在ではとんでもない高額な時計となるような仕様が施された時計がざらにあることもアンティーク懐中時計を楽しむ醍醐味です。

万年筆のニブなども古いものは職人による手作業で製作されていることが多く、同じものであっても違いがありますが、アンティーク懐中時計も同じことが言えます。

その手作業による温かみは味となり、なんとも言えない愛着を生みます。機械で製作されたものとは一線をかくします。

オンリーワンではないものの、手作りならではのオンリーワンがそこにはあります。100年以上前に誕生したものが今も楽しめることができます。それは手作業ならではと言えます。職人が丁寧に大切に作り上げ、それを所持した方々によって現在まで大切に引き継がれて現在あります。

ぜひ次の担い手へとつなぐ担い手となってみてください

ものを修理して大切にしてきた日本人ならではの心を取り戻すことができると思います。愛着を持って接すれば、あなたにとってのラッキーウォッチとなるはずです。

これからの人生が変わるかもしれませんよ。

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